★5日目:1990年3月1日(木)
今日は、リットンホテルに泊まってみようかと、
(ステーキが美味しいとの噂あり笑)
朝早くに部屋の空きがあるか聞きにいくと、
あれ?おかしいなぁ。
リットンホテルの門が閉まっている。
中には人がたくさん群がっていて、ガラスの割れる音も聞こえた。
どうも労働者と雇用者の衝突のようだ。
なんだか怖いので、カルカッタ最後の夜もそのまま
フェアローンホテルに泊まることにした。
出来上がったパンジャービードレスを着て少し近所をお散歩。
するとホテル前で、1日目の自称テイラーのおっさんにばったり。
「パンジャービードレスを作るなら僕のところでね」と話していたのを
無視して、勝手に自分たちで作ったもんやから、
「日本人うそつきね!」とヒンディー語でどなられてしまった・・・。
↑インドでは狂犬病に気をつけなくてはいけない・・・。
今日は明日バラナシへ移動するので休憩日。
とにかくインドは(カルカッタは)疲れるのだ。
暑いし、道がでこぼこだし、
いろんなところに犬や人が寝ているので踏まないようにしなくてはいけないし、
いろんな人がじろじろ見てきたり、話しかけてきたり、
肉体的にも精神的にも、とにかく、くたくた。
人の多さ、
それも人間として最低限の暮らしを保障されていない人たちの多さ、
車の多さ、
響き渡るクラクションの音、
カラスの鳴き声、
早朝から耳にいやおうなく入ってくるバカでかいインド人の声、
洗濯物をたたきつけている音、
停電時の自家発電機の音、
バスにしがみついている人、
走っているバスに乗り込む人、
車の間をすりすりとくぐり抜け向こう側にわたる人、
乗客を乗せたまま少しの間姿を消すタクの運ちゃん、
ライ病の手を前におめぐみをと寄ってくる人、
道端でひげをそっているおじさん・・・。
ほんとカルカッタって街は、日本人の普通の感覚では
まるでついていけないところだ。
それだけにすごいエネルギーとパワーにあふれている。
どんなに貧しい人でも生きようというすさまじいエネルギーに満ちていて
ちっとも辛い顔をしていなくて、むしろたくましさを感じてしまうのに、
驚くとともに、ちょっと感動してしまう。
なんかよく分からないけど、すごい都市だ、
カルカッタ!!
※当時のカルカッタという都市名は、現在はコルカタと変更されています。