★11日目:1990年3月7日(水)
夜が明け、お日様がお目見えになると、
昨日の夜の寒さとはうってかわってものすごーく暑い。
窓を全開にして、4つある扇風機を全部オンにしてもあづい。
風がもはや熱風である。
いろんな人が入れ替わり立ち代わり私たちのコンパートメントに乗り来んでくる。
「地球の歩き方」を見てよい本だね~とほめたり、
ヒンディー文字を書いてみろと言うおじさんがいたり、
ミネラルウォーターを一気飲みしながら、インドの列車の様子に
驚いているオーストラリア人のおじさんがいたり・・・。
でも、ほんまにあづい~~のよ。
外の景色も荒れ果てた土地が延々と続き、乾ききっている。
広い座席にお行儀悪く、どてーと座ったまま、
私たち3人はいつしか無言となり
もう疲れも極致に達してしまった。
そうこうしているうちに、やっと21:10頃ダ―ダル駅に着いた。
昼間は2時間以上遅れていたが、少し取り戻して1時間10分遅れだ。
このダ―ダル駅には宿泊施設がないので、これからローカル列車で
ボンベイセントラル駅まで行かなくてはならない。
(見ず知らずの土地で夜遅い到着なので、
この日は駅に併設している宿泊施設に泊まろうと考えていたのだ)
このダ―ダル駅もまたまたでっかい。
長距離の列車の他に、ウェスタンレイルウェイとセントラルレイルウェイの
2つのローカル列車が乗り入れているのだ。
ボンベイセントラル駅へはウェスタンレイルウェイで行かなくてはいけないのに
2度も間違えてセントラルレイルウェイのホームで待っていた私たちに
わざわざ、文字どおり線路をまたいで(!!)、
正しいホームを教えてくれたインド人もいた。
このローカル列車もすごかった。
先ず、ドアはついていない。
列車が来ると、まだ止まらないうちに、ホームにあふれかえっていた
インド人の群れが一斉に列車に乗り込み、
まだ乗り終えていない人もいるのに唐突に動き出してしまう。
でも一等車はがらすき。
22時頃、やっとボンベイセントラル駅に着く。
ここもどでかい駅で人に聞き聞き、リタイアリングルームにたどり着いた。
ところが時間も遅いせいか満室だと断られてしまった。
もしや、そこらへんで横になっているインド人のように駅で野宿?!と
不安がよぎったが、レディースウェイティングルームを教えてくれた。
もともと待合室なので、椅子しか置いていないが
長椅子だし、奥にはシャワー室やトイレもついている。
女性専用なので、女性しかいないし、
入口には入ってくる人のチェックをしてくれる
女の人もいるので安心は安心だ。
適当な長椅子を見つけ、斜めがけにしたままのサブバッグを枕にして
眠りについた。
*************************インドの駅について*************************
インドの駅は人間ウォッチングに最適だ。
チャイ、たばこ、果物、スナック、本、ミネラルウォーターなどの物売り、
ポーター、毛布をかぶってまぐろのように寝ている人、
人人人で、本当に活気に満ちている。
駅名の表示は、このように英語、ヒンディー語、ウルドゥー語で書かれた
でっかい看板が駅の端っこに建てられているのみ。
(ウッタルプラデーシュ州の場合)
これを見落とすと、どこの駅なのかさっぱり分からない。
車内放送もなければ、日本の駅のように駅名の看板があちこちにないからね。***************************************************************************