「手術中に覚醒する場合があります。」
なんて一文の入った手術の同意書を前に、
そんな同意書にサインなんてできるかいな!!って
自分の手術の時には思っていた。
でも、先日の新聞で、
手術中に覚醒して、執刀医と確認をとりながら行う手術があるという記事を読んだ。
アウェイク・サージェリー=覚醒下手術。
なんでも、脳腫瘍等の患者さんの開頭手術の際に、
部分麻酔の患者さんに話しかけたり、様々な反応を見ながら電気刺激を行い、
その電気刺激をすることで、例えば、言語機能が落ちたりしたら
その部分は切除しないという、そんな手術法らしい。
ひぇぇ~、なんておっそろしい~っ!!と最初は思っていたのだけど、
手術中に確認しながら進めていくから、
例えば、術後に初めて言語機能が失われたー!と分かり、
どうしてくれるのよ!
なんてことが減るというメリットがあるのだと。
なるほど。
確かに非常に合理的な手術ですね。
昔は、命さえ助かれば…ていう考え方が主流だったと思う。
乳がんだってそう。
命さえ助かれば、おっぱいなんてなくても、なんてね。
でも、実際のところ、そんなに簡単にすぱっと割り切れるものではない。
命も惜しいけど、おっぱいも欲しい。
悪者を排除しながら、でもその後のQOLも重視していく。
この手術法は、そんな相反する事柄を実に見事に両立させている方法だと思う。
これからも医学の進歩とともに驚愕するような治療法が出てくるのかもしれないけど、
QOLに重きを置いた進歩は大歓迎。
術後、どのような生活をしたいかによって、
治療法も本当に様々な選択肢があるこの時代。
患者側も正しい情報収集力と、柔軟な考え方ってのも必要なのかもしれませんね。